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ダッフルコートの歴史や人気ブランドをチェック

寒い季節に欠かせないコートの中でも、Pコートと同じく古い歴史を持っているのがダッフルコートです。フードが付いたボックススタイルに、大きな張りポケットとトグルの留め具が何となくかわいらしい。・・・のですけれども、こちらもPコート同様に軍用コートとして発展してきました。そして、どちらかと言えばPコートはアメリカ海軍と関係が深いのに対し、ダッフルコートはイギリス海軍との結びつきが強いと言えるかもしれません。

もともとは冬に荒れ狂う北海で命がけの漁をしていた漁師たちが着ていたのではないか、と言われています。北海では南西の風が吹くとき、必ず海は荒れ、漁師たちはオイルジャケットかダッフルコートを着て凍てつく寒さをしのぎました。その命をやり取りする極限状態に耐えうるダッフルコートは、やがてミリタリーコートへ進化していきます。特に好んだのが、イギリスの軍隊たち。第二次世界大戦の中、モンティの愛称で知られるイギリス陸軍元帥バーナード・モンゴメリーは、よくダッフルコートを着ていました。フランス北部のダンケルク海岸における撤退作戦の際にも、現地の漁師にもらったダッフルコートを着ながら指揮を取っていました。有名な「ダンケルクの悲劇」のワンシーンです。また、イギリス特殊部隊SAS創立者となるスターリング少佐もダッフルコート愛用者でした。そしてもちろん、海軍の水兵たちにとっては、すでに完全なるマストアイテムだったことは言うまでもありません。

ところで、「ダッフル(duffle)」とは、ベルギーのアントワープ近郊の町の名前に由来します。ただ、「ダッフル」という町でコートが作られることはありませんでした。この町で盛んだったのは、織物産業です。なかでも15世紀~17世紀には「ファスチアン織」という綾織の丈夫な生地をヨーロッパ各地に送り出していて、その厚手の毛織物は防寒性に優れ評判を得て、「ダッフル」の愛称で呼ばれるようになります。そのダッフル生地で作ったコートだから、ダッフルコートというわけですね。なお、フェルト状になるほど強く縮絨をかけたダッフル生地はクッション性に優れていたので弾薬箱の内箱に採用されていました。

ちなみに、トグルの原型は漁師たちの「うき」だったという話が伝説化していますが、真相は定かではありません。水牛の角や木、セイウチの歯、プラスチックなどが使用されています。また、ダッフルコートは軍艦の甲板において共用の防寒具として使用されるケースが一般的だったようです。

Gloverall(グローバーオール)

それまで軍製品だったダッフルコートを私たち一般人が手に入れられるようになったのは、Gloverall社のおかげです。戦後、余剰品になったコートをイギリス国防省のお墨付きのもと民間に販売し、まもなく自社生産もスタート。いま私たちが知るダッフルコートの原型を生み出した老舗中の老舗ブランドといえるでしょう。
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OLD ENGLAND(オールドイングランド)

元々は1867年にパリのキャプシーヌ通りとリュ・スクリーブ通りの一角にオープンしたセレクトショップでした。現在ではフランスのパリにありながら、英国イングランドの格式高い伝統的な正統スタイルを伝えるブランドとして愛されています。特にダッフルコートがブランドの顔となる代表的なアイテムとして知られています。
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Loro Piana(ロロ・ピアーナ)

世界最高峰のカシミアやウール、ビキューナ生地で知られるイタリアの老舗テキスタイルブランドです。その実力と人気は、「エルメネジルド・ゼニア」と並び称されるほど。極上のウールを使用したダッフルコートは、着心地も佇まいも納得いくこと間違いないはず。
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LONDON Tradition(ロンドントラディション)

英国の実力派ファクトリー(工場)が2000年にスタートしたアウターウェアブランド。「Made in England」にこだわり、四半世紀以上の経験を持つ熟練の職人達が丁寧に生産しています。工場はバーバリーやギーヴスアンドホークスなどトップメゾンのアイテムも手がけています。
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HACKETT LONDON(ハケットロンドン)

イギリス紳士の由緒正しいスタイルを今に伝えるブランドといえば、やはりHACKETT LONDONの名前は外せないでしょう。歴史こそ1983年と新しいですが、世界的なアンティークコレクターである創業者ジェレミー・ハケット氏のこだわりと情熱は半端ではありません。
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Oliver Spencer(オリバー スペンサー)

近年、世界中のセレクトショップが注目している進気鋭のファッションデザイナー、オリバー・スペンサー氏も人気が高まっています。先端的ストリートカルチャーと伝統的テーラーが絡み合って生まれるモダンなスタイルは、フツーのブランドでは飽き足らない人にピッタリです。
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VAN(ヴァン)

作家の村上春樹氏も長年愛用しているという「VAN JACKET(ヴァン・ヂャケット)」のダッフルコート。その想いは著作『村上朝日堂』でも続編『村上朝日堂の逆襲』でも綴られています。なお、デビュー作『風の歌を聞け』が受賞した群像新人文学賞の授賞式にもVANの3つボタンスーツを着て行ったことも有名な話です。
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