スポンサードリンク

トレンチコートを着こなすために知っておきたい歴史と人気ブランド

どことなくクールな雰囲気の漂うトレンチコート。映画や小説の中では、探偵や刑事などハードボイルドな役の象徴的なアイテムとして登場します。なんだか可愛らしいPコートやダッフルコートに比べて、トレンチコートはとにかく格好いい。普段はカジュアルなスタイリングもいいけれど、たまには大人な雰囲気のトレンチコートもサラリと着こなしてみませんか。

トレンチコートの歴史は、第一次世界大戦のころのイギリスで始まります。船乗りたちの寒さを凌ぐワークウェアが起源のPコートやダッフルコートに対して、トレンチコートは陸用の防寒具で、しかも最初からミリタリーウェアとして誕生しました。なんとなくハードボイルドな雰囲気を持っているのは、そういう背景も関係しているのかもしれません。「トレンチ(Trench)」とは「塹壕」のことで、機関銃や大砲技術が発達した近代戦争において、砲撃や銃撃から身を守るための溝=「塹壕」は基本的な陣地のひとつでした。第二次世界大戦になれば、「歩兵の仕事の8割が塹壕掘り」とまで呼ばれるほどに。兵士たちは、1日中、塹壕の中に身を隠し、雨や寒さに悩まされていたのです。その劣悪な環境が、レインコートを進化させ、トレンチコートを生み出していきました。

もともとイギリス軍は、ダンヒルやハロッズ、スレッシャー&グレニー、ヘンリープールといったロンドンの高級注文紳士服店が集まるサヴィルロウあたりの仕立屋にレインコートを注文していました。仕立屋たちもミリタリーテーラーとして軍服全般の仕立てに応じていたのです。たとえば第11ユサール隊は、ホークス(現ギーブス&ホークス)を専属のミリタリーテーラーとして指名していました。また、高級軍人たちは、部隊に関係なく個人的なお気に入りのテーラーでレインコートを作っていました。そして第二次世界大戦が始まると、2つのメーカーが優れたレインコートを開発し台頭してきます。その画期的なレインコートは塹壕戦で耐候性を発揮したことにより、いつしか「トレンチコート」と呼ばれるようになりました。代表的な2つのブランドとは、言うまでもなく「バーバリー」と「アクアスキュータム」です。両ブランドは英国軍に軍服を納入する主要メーカーとして成長し、戦後はセレクトショップでも取り扱われるようになります。当時の評判は、「バーバリーは野暮で無骨で男らしく、アクアスは都会的で洗練された印象」とのこと。

初期のトレンチコートは、現在のように決まったスタイルではなく、バラバラなカタチをしていました。現在のスタイルは第一次世界大戦が始まった頃に固まり、ダブル前のロングコート、両肩にエポレット、右肩にはガンフラップ。ベルトは水筒やナイフ、手榴弾を提げられるD環付き。襟元はタブで閉じられ、生地は防水のコットンドリルか、ポプリン地か、ウールギャバジン地か、稀にレザーを用い、内側には取り外し可能な防寒用ライニングが取り付けられました。

BURBERRY(バーバリー)

飛躍のきっかけは、1879年に防水性に優れた新素材「ギャバジン」を発明したこと。1888年に特許を取得し、1895年のボーア戦争の際にはトレンチコートの前身「タイロッケンコート」を生み出しました。続いて世界大戦中に軍からの要請を受けてトレンチコートを開発します。英国王室御用達。
⇒バーバリーのアイテムを見てみる

Aquascutum(アクアスキュータム)

バーバリーと並び「キング・オブ・トレンチ」と称される老舗ブランド。1851年に創業し、世界で初めて防水ウールを使ったコートを開発したことで知られています。クリミア戦争時に軍に採用され、世界大戦中を通して発展。後に「アクア5」という先駆的な防水生地も開発しました。英国王室御用達。
⇒アクアスキュータムのアイテムを見てみる

MACKINTOSH(マッキントッシュ)

スコットランドにおける偉大な建築家・デザイナーのチャールズ・レニー・マッキントッシュ氏は、二枚の生地の間に液化した天然ゴムをのばして圧着するハイテクな防水布「マッキントッシュ」を発明しました。その布地を使用したレインコートは、いまや英国を代表する世界的なブランドへ育っています。
⇒マッキントッシュのアイテムを見てみる

GRENFELL(グレンフェル)

熟練した職人が最細の綿糸を使い、1インチ四方600本以上織り込んで作られる特殊布地「グレンフェル・クロス」。その緻密さゆえに防水・暴風・対磨耗に優れ、1923年のブランド創立以来、イギリス屈指のコートブランドとして歴史に名を刻んできました。
⇒グレンフェルのアイテムを見てみる

その他おすすめブランド

HACKETT LONDON(ハケットロンドン)
BARNEYS NEW YORK(バーニーズ・ニューヨーク)
TOM FORD(トムフォード)
Paul Smith(ポール・スミス)
Traditional Weatherwear(トラディショナル・ウェザーウェア)
TAKEO KIKUCHI(タケオキクチ)

あわせて読みたい特集記事
⇒その他の特集記事を見てみる

関連ブランド

関連アイテム

スポンサードリンク