ゴールデンウィークや夏休みなど、せっかくのロングバケーションなのだから、たまには旅行にでも・・・という人、多いのではないでしょうか。恋人とゆっくり、家族と楽しく、あるいは一人でぶらりと非日常の空間にお出かけする。そんなとき、お気に入りの旅行鞄があったら、もっとワクワクできるはずです。いや、もちろんマイカーだったら、あまり関係ない話かもしれませんが、飛行機や鉄道の旅なら、いつも一緒にいるわけですし。それにホラ、旅行鞄のほうが、「旅行してる!」っていうムードも味わえますよね。気分は、すっかり旅人。なんて旅行もアリだと思いますよ。そして、そんな気分を最大限に盛り上げてくれるのが、旅行鞄専門のブランドたち。世界中のトラベラーやジェットセッターを魅了しているブランドを、今回は歴史順にご紹介していきます。
LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)【1854年】
1825年、イギリスで世界初の商用蒸気機関車が走り出して以来、19世紀のヨーロッパとアメリカは本格的な鉄道時代に突入しました。同時に、旅行がブームとなります。そんな時代背景の中、1854年、フランスのパリに世界初の旅行鞄専門店がオープンします。店主の名は、ルイ・ヴィトン。そう、旅行鞄こそ「ルイ・ヴィトン」の原点とも言えるのです。以来、世界中の王侯貴族・セレブリティたちの旅行鞄として愛用されています。
GLOBE-TROTTER(グローブトロッター)【1897年】
エリザベス女王がフィリップ王子とのハネムーンにも使用した、イギリスの名門中の名門です。1897年にイギリス人のデイヴィッド・ネルケン氏がドイツで創業しましたが、1901年にはイギリスへ戻りました。キャッチコピーは「象が踏んでも壊れない」。英国で発明された美しい皮革素材を使ったアイテムが人気となっています。2007年に東レ・デュポンと共に世界最軽量のスーツケースを共同開発して話題を呼びました。
RIMOWA(リモワ)【1898年】
ドイツの老舗スーツケースブランドです。現在、市場に出回っているスーツケースはその手軽さ・安さから「ナイロン製」のものが多いのですが、リモワは一貫して「ハードケース」にこだわり続けてきました。その名前を一気に世界に知らしめたは、航空機の機体に使われているアルミ合金素材「ジュラルミン」を採用したこと。近年はさらに軽量のプラスチック素材「ポリカーボネート」仕様も発売し、「鉄道時代」のルイ・ヴィトンに対して、リモワは頑丈・軽量がキーとなる「航空時代」の申し子と言えるでしょう。
Samsonite(サムソナイト)【1910年】
聖書に描かれているパワフルな登場人物「サムソン」の名前を持つ、アメリカ発祥のブランド。ヨーロッパではカジュアルバッグから旅行かばん、アクセサリー、アパレル、雑貨までトータルに展開し、いまや「スーツケースブランド」よりも「総合ファッションブランド」のイメージを確立しています。とはいえ、やはり原点は「スーツケース」。2010年には史上最軽量モデル「コスモライト」を発売し、「レッド・ドット・デザイン賞2010」を受賞するなど高い評価を得ています。
American Tourister(アメリカンツーリスター)【1933年】
1933年、アメリカの田舎町ロードアイランド州プロビデンスで26歳の青年が旅行かばんの工房を立ち上げました。折りしも、世界大恐慌の時代。厳しい環境の中でもコツコツ創意工夫を重ね、あるとき爆薬ケースやヘルメットに使われていたプラスチック素材に注目します。これが戦後、大当たりしました。また、着ぐるみのゴリラがスーツケースを持って大暴れするTVCMも大ヒット。サムソナイトに続き、アメリカ第二のスーツケースブランドに成長していきます。
ZERO HALLIBURTON(ゼロハリバートン)【1938年】
ジェットセッター(飛行機で世界を飛び回るビジネスマンのこと)だった創業者のアールP.ハリバートン氏が、航空機エンジニアから助言を受けて始めたブランドです。何より有名なのは、1969年、アポロ11号と共に大気圏を突破し、月の石を収納するケースに使われたこと。その後も、アタッシュケースはハリウッド映画などにも度々登場するようになり、「デキるビジネスパーソン」の代表アイテムの地位を固めていきました。もちろん、旅行用のスーツケースやリュックアイテムも大人気です。
PROTECA(プロテカ)【1940年】
日本を代表する老舗カバンメーカー「エース」の主力ブランド。半世紀以上にわたって生産基地の北海道・赤平工場をはじめ、安心の「Made in Japan」「Made by Japan」クオリティのアイテムを作り続けています。シリーズラインナップも、女子旅向けからビジネスシーン対応までバラエティ豊か。最近では、AKB48の篠田麻里子氏やDisneyのミッキーマウス氏などとのコラボアイテムも発売しています。
TIMEVOYAGER Trolley(タイムボイジャー トロリー)【1942年】
新潟の包装紙メーカーが生み出したという、異色のキャリーバッグブランド。なんとボディには木製パルプや綿から作られた独自素材を使っています。さらに「メイド・イン・ジャパン」としての細部に対するこだわりは半端ではありません。滑らかなキャスター、衝撃吸収クッション、緻密に計算された収納、等々・・・。デザインも良く、高い人気を誇っています。
EMINENT(エミネント)【1979年】
これまでスーツケースの3大ブランドといえば、「リモア」「サムソナイト」「ゼロハリバートン」と言われていました。しかし近年急速に勢力を伸ばし、「世界4大スーツケースブランドの1つ」とも並び称されるようになってきているのがエミネントです。もともとは、サムソナイト、トゥミ、カルバン・クライン、ELLEなどを手がける台湾の下請け工場でした。培ってきたノウハウを武器に、1985年にオリジナルブランドを発表。そこから瞬く間に現在の地位に駆け上がります。値段もお手頃で、大注目のブランドと言えるでしょう。
siffler(シフレ)【1979年】
おしゃれなデザインとリーズナブル価格、そして積極的な広告プロモーションによって、若者を中心に人気のブランドです。映画では「花より男子ファイナル(2008年)」などに登場。ドラマでは「全開ガール(2011年)」「リッチマン、プアウーマン(2012年)」などに登場。雑誌で取り上げられることも多く、要チェックのブランドと言えるかもしれません。
スーツケースの選び方
ポイントは、サイズ、重量、キャスターです。サイズについては、お土産などで帰りのほうが荷物が増えているケースが多いもの。その辺りも考慮して少し大きめを選ぶと良いでしょう。次に重量ですが、近年は機内持ち込みができるサイズに加え、重量制限も厳しくなっているようです。とくに格安航空(LCC)の場合、重いほど値段が高くなったりもするので、軽量かどうかも大きなポイントとなるでしょう。最後にキャスターについては、まず二輪か四輪かを選ばなければいけません。基本的に四輪は、キャスターが小さく、段差や凸凹道に弱いです。そのため舗装されていない道路や海外のような石畳が多いところへ行く人は、二輪で、かつキャスターの大きいもののほうが安心です。